小説の主人公が
能力持ちだった。
『人の死がわかる』
という有難くないもの。
しかもこれは
常にわかるわけではなく
わかるのは
死の間際だけ。
およそ1週間前からであり
自分のことはわからない。
期間はまばらで
主人公が死を見てから
2週間生きる人もいれば
次の日には灯火が消える人もいる
しかも死因が
交通事故だと見えず
自殺の場合も見えない。
この物語を読んだ時
なんて酷い能力なのかと思った
人の死は分からなくていい。
分からない方がいい。
そう思いつつ
読み進めていくと
この能力が開花した原因は
家族旅行中、事故にあい
両親と妹が死んだことによる
精神的ショックであった。
1人だけ生き延びた主人公。
物語の主人公は
何故か過酷な人生にされがちだ。
誰も不幸にならない
物語はないのだろうか。
これは
主人公と第三者目線からの
短編集といった感じだった。
私は感情移入しすぎて
大号泣しながら読んだのだが
最後の最期。
Happy endだったことだけが救い。
気になる人は読んで欲しい。
『今夜、もし僕が死ななければ』
このタイトルの本当の理由は
読んだ人にしかわからない。
私は特別な能力など
何も持ち合わせていないが
この世の知らない場所には
こういった能力のある人も
こういった過去を持つ人も
きっといるのだろう。
私が知らないだけで
目の前にいる人も
何かを抱えているかもしれないし
あの人にもこの人にも
もちろん自分にも
明日はこないかもしれない。
自分軸で考えることの怖さを
淡々と教えられる。
物語で主人公に話しかけられる
死の間際にいる人々は
人生満喫した。
悔いはない。と言いつつも
暴言を吐き、泣き喚き
時には人を突き飛ばして
死神だと罵る。
傍から見れば
なんて滑稽な光景か。
だが、私もいざ
当事者になった時
同じことをしないとは限らない。
悔いなく生きることは
確かに大切だが
それよりも
人としての心を
成長させておきたい。
死神は魂の運び屋。
会えずにこの世に留まるくらいなら
潔く会って
行くべき場所に連れて行って欲しい。
良くある骨だと怖いから
私好みにコスプレしてきてほしい。
なんて、
そんなことを考えるくらい
平和で普通の日々が
とても素晴らしいものに思える。
これはそんな物語だ。
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