面白い物語に出会った。
私は文庫本を買ったが
映画もやっていたらしい。
14年前とは恐れ入った。
結論から言うと
救いようのない話。
読めば読むほど
胸糞が悪いという
珍しいタイプ。
一応すっきりはする。
最後の2行でゾワっとなった。
だが別に
可哀想だとは思わない。
あれが因果応報だと言うならば
そうなんだろう。
子がいる親は
見ない方がいいかもしれない
あまりにも感情移入してしまうから。
ただ、未成年は読むべきだ。
自分が普段何に守られ
何を守るべきなのか
考える機会になるだろう
全ての章で
視点が違うのだが
全員が全員
自分本位だ。
自分のことを被害者だと思っている
結果として
4人犠牲者がでた。
勝手な逆恨みと嫉妬で殺された
最初の女の子だけが
完全に被害者だ
あとは担任を含め
クラスメイト全員が加害者。
物理的に加担した人だけでなく
見て見ぬふり ネットたたきも加害者であるというのは
今のご時世
声を大にして言うべきことだ。
そして個人的な感情論で言おう
あの結末は
なるべくしてそうなったと感じる
人としての倫理観とは何だったか。
殺られたら殺りかえす。
もうそれしかないんだ。
加害者は守られるが
被害者のことは守ってくれない法律
しかも旦那があれじゃあ……
復讐もやむ無し。
ポジティブも行き過ぎれば
ただの能天気。頭お花畑。
私は綺麗事だけ
並べる人が大嫌いだ。
そんなことは置いといて
復讐方法が巧妙でゲスいのが
この物語の面白いところ。
壊れた人間はあんなにまで
無情になれるのだと
感心さえする
おかげでぶっ壊れた人が5人も。
知らない間に
手のひらで転がされ
気付けば殺人犯になっている少年たち。
元より捕まりたかったなら
良かったじゃないかマザコンくん。
もうその母親はいないけど。
己の思い込み
自己保身の末路。
勝手に泥に沈んでいく視点
少年法は誰の為の何なのか
考えてしまうな。
絶対に敵に回してはいけなかった。
そう後悔するには
あまりにも遅い復讐劇の後。
読み手に残るは
なんとも言えない虚無。
あいつが悪い、こいつが悪い
感想をあーだこーだ言いたくなるが
ひょっとしてそれこそが愚の骨頂
いつから自分が
裁く側だと錯覚していた？
例え犯罪者相手だとしても
それを裁く権利は私にはない
私はただ野次馬根性で
物語を読んでいただけだ。
だが現に
あいつらは復讐されても
仕方のないことをした。
そうやって
加害者の肩を持とうとしている
小説の中でさえこれなのだ
現実でだって無意識に犯人を
攻撃していたかもしれない
少し考えれば
叩く理由にはならないと
分かるはずなのにね
なぜなら私は
ただの部外者だから。
いちど悪者認定した奴が
酷い目にあっていると
『いい気味だ』なんて思う
我々が1番最低だったんだ。
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